氷上のデブ

思いついた、試した、いつまで続くか分からない。

同人小説原稿の設定(Word)

何でWordか

 前にもWordで原稿作ってるって事を書いたと思う。
 何でかっていうと、慣れているっていうのが一番。
 それから、365日officeやでみたいなプランに入っているので(結構高いよね!)、使いたい。
 細かい所を設定できるのも大きいかもしれないけど、他のソフトを使った事がないので、他のでもできるよってあるかもしれないけど。iOSで『縦式』というアプリを使っているけど、これも結構色々設定して画像を書き出せるので、全てスマホやiPadでやってるよって人は調べてみるとよいかもしれないね。

原稿を作る時にWordでやりたい事。

 私は本全体の入稿用のファイルは、CLIP STUDIO PAINT EXのページ管理フォルダから一括で書き出すので、そこへ読み込むにはテキストデータではなく画像データでないと都合が悪い。
 だから、Wordでやる事は、
★1★
テキストをWordにコピペして(執筆そのものは秀丸エディタかスマホの時は縦式)組版する。ペーパーなんかで本文と絵が混在するページの時は、この時に絵のスペースを開ける(空のテキストボックスを挿入したりなんかして)。
★2★
組版を終えたものを、画像として書き出す。
という所まで。
 この時の設定がどうかって話をしようと思う。

どんな体裁にしたいかなってところを考える。

 私も色々調べてやったので、自分の好みと近い設定をしている人の例を探して、まずまんま真似っこでやってみて、少しずつ一番好みってところへ近付けていくといいんじゃないかな。
 私はそうした。好みと読みやすさ、それからページが嵩む、嵩まない、そういう所の兼ね合いよね。

私の例

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 最後に出した『純愛ギャロップ』の組版画像。
 その前に初めて小説同人誌を作った『らせんしんどろーむ』は思ったより字が小さくて、私が老眼だってのもあるんだけど、読みづらい人多いかもしれないって思って、少し字を大きくした。
 大きさはB6判。

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 なので、二段組。
 一段でやると、いい感じの一行字数にすると結構字を大きくするか字間を開けるかになって、自分の小説は文芸よりというかラノベでもそうだけど、童話とか詩とかでない場合はあんまりいい感じじゃないなって思う。勿論個人的な感想なんだけど。
 で、二段組で、商業の文庫本なんかの字詰めを見たりして調整した。
 読みやすさが一番ってあるから、私は私くらい、私より少し下くらいの年代の人が読んでくださった時も眼鏡をかけたりはずしたりせずに読めたらっていうアレがあって、字を大きめにした(ババくさいというなかれ)。

フォント

 体裁を整えるには、「レイアウト」タブ→アイコンとかある下の「ページ設定」横のここ押してみ?みたいなマークをクリックすると開くダイアログボックスからやる。

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 フォント、大事(ふぉーんと、フォントって大事よね~)。
 フォントによって、同じポイントでも大きくみえたり小さくみえたりあるので、まとまった文を入れてから試すのがいいと思う。
 私のこれは『純愛ギャロップ』からの設定。気が変わらなければずっとこれでいくんじゃないかなと思う。その前の『らせんしんどろーむ』は「源暎こぶり明朝」だったと思う。
 小説の作風によっても、フォントの雰囲気を合わせるとかすると楽しいね。

細かい設定

余白

 この設定はふぉんとうに大事だ(いい加減にしろ)。
 読みやすさという観点からも、いい雰囲気の体裁って観点からも。ちょっと、本屋に売ってる本みたいに見えたらうれしいもんね。

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 Wordは基本が横書きなので、ちょっとクセがあるようだ。
 上下の余白は好みでいいと思う。私も、本棚にあるソフトカバーの本や、読みかけの文庫本なんかをぺらぺらと見て参考にした。
 で、気を付けたいのが、Wordだから、横書き基本、だもんで、見開き設定にすると強制的に「左綴じ」にしてくる。
 標準設定だと、一枚ずつ片面印刷を綴じる感じになるみたいで、閉じる側が毎ページ同じになる。
 両面印刷の原稿は、見開きで原稿を配置した場合、Wordは左側が2ページ、右が3ページになる。
 しかし縦書きの本の原稿は、見開きで右側が2ページ、左側が3ページ。
 だから、この設定のように、「印刷の形式=見開き」にすると、ノド(閉じられる側)を、Wordの小口側(ページをめくる側、見開きの両外)にしなければならない。
 この画面を見ていると本当に気持ち悪いんだけど、画像ファイルを書き出してクリスタの方へ読み込むとめちゃめちゃスッキリするよ。
 で、当然、「とじしろ」の設定もWordと自分の認識?は逆になるので設定しないで、「外側」の余白を大きくすることで、ノドの設定をしてしまおうという。

ノドと小口

 ややこしいかもなので、ノドと小口について。
 漫画を描いていると、「タチキリ」なんてものがあるので、わりとノドと小口について、ビギナーの時に注意されたりする。
 小口側はめくる側の事。こっち側は、絵や漫画は紙にはみ出す感じで描いてもいい(タチキリっていうやつだね)。

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 ノドっていうのは、閉じられる側。なので、原稿を見開きで二枚配置すると、その中央になる。

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 ノドは閉じられる側なので、中綴じのぺたっと開く本でなければ、見えない部分が多くなるし、ここの余白を十分とっていないと隣のページの文字と近くなったりして読みづらい。
 漫画の人は、ノド側へタチキリの絵を描かないようになんて注意されるよね。

文字数と行数

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 段組は2(私は)。
 この段組の段の境にある余白も、設定できる。このメニューじゃなくて、「レイアウト」タブ→「段組み」(アイコンがある)→「詳細設定」→「段の幅と間隔」で。ここは、文字数をいじったりしていると、微妙に変わったりもする。けど、始めに「私はここは広めにとりたいわ、狭めにしたいわ」ってアレがあるなら設定しておくと、微妙な調整なので、そのまま好みの幅が反映されるのではないかな。私は広めが好き。読みやすそうで。
 文字数、行数、そして字送り、行送り。これも色々いじってみて読みやすい感じを探っていくのがいいと思う。
 注意すべきは、行送りだけど、「レイアウト」タブの「ページ設定」から指定した行送りが段落に反映されないみたい。私も詳しく分からないんだけど、段落の行送りは段落で設定されたものが反映するようで。ページの設定より段落は段落の設定が優先されるとかそういう事なのかしら。
 なので、「ページ設定」で行送りを設定したら、その数値をメモっといて、今度は「ホーム」タブ→「スタイル」の「標準」アイコンの上で右クリック→「変更」→ダイアログボックスの左下「書式」クリック→「段落」→段落ダイアログボックスの「間隔」→「行間」を「固定値」に→「間隔」にページ設定で割り出した行送りの数値を入力、と、段落の設定をするとページ設定の行送りになる。
 ちょっとややこしいけど、ホントに細かい所を設定できるので、私はWord好きです。

 あっ、すみません、Wordしか知らないから他にもそういうソフトはあるかも!!

ヘッダ、フッタ

 フッタの設定は、私はフッタに何も印刷しないのでやったことがない。
 ヘッダには、本のタイトルやノンブルを入れるので、いつもヘッダをさわる。

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 画像は見開きの原稿。
 私はノンブルと、右ページには本のタイトル、左ページにはそのページの内容を印刷するようにしている。
 Wordの操作としては、ヘッダの辺りでダブルクリックをすると、ヘッダ・フッタの編集画面になる。
 私のように左右で違うものを印刷したい場合は「オプション」メニューの「奇数/偶数ページ別指定」にチェックを入れる。
 それで、1ページ目に奇数ページに入れたい事、2ページ目に偶数ページに入れたい事を入力する。
 本は、ずっと同じ内容でなく、「はじめに」「1つ目の小説」「2つ目の小説」「あとがき」など、項目が変わっていくと思うけど、私はそれぞれセクション?ごとにWordファイルを分けている。
 そうすると、そのファイルの1ページ目は、本の1ページ目とは異なる場合が殆どだと思う。
 その時ヘッダーフッター編集画面で、「ヘッダーとフッター」メニュー→「ページ番号」→「ページ番号の書式設定」で指定することができる。

書き出し

 そうやって体裁を整えたら、画像ファイルとして書き出す。
 「ファイル」→「印刷」
 なのだが、ここで印刷ってクリックすると、待機中のプリンターが表示されると思う。普通に紙に印刷するプリンターでは都合が悪い。
 絵やなんかを本文とは別ファイルで入稿する人は、マイクロソフトのPDFってやつでPDFファイルに書き出して入稿でもいいかもしれない。
 今見たら、OneNoteもあるな。すごいな。

 私はPNG画像で書き出してからクリスタに読み込んでトンボやらなにやらつけてモノクロのイラストページと一緒に書き出したいので、「CubePDF」というソフトを使って書き出している。
 これはインストールすると、Wordの待機中のプリンターリストの中に出てくるので、選んで用紙の大きさなどを設定するとすぐ使える。
 書き出すファイル形式もたくさんある。勿論PDFも。

 という訳で、書き始めてから「うわぁ、なんかめっちゃ時間くってるなこの記事」って、苦々しい思いをしながら書いていた(小説書かなあかんからな)。
 でも、小説を書いている人っていうのは、なんかこういう「原稿を書き出して、印刷屋さんに送って本を作る」みたいな事をとってもハードル高い事と思っているかもしれないって思って。漫画とかイラストを描く人は、描く時点で、描いて書き出してネットに上げるって時にデジタルデータの事を身近に感じるかもしれないけど、物書きの人というのは、それがあまりない人もいるかもしれないななんて思って書いた。Wordの話だけだが。何を知りたいかってのが、あのー、ボッチだから、自分以外の人の事よく分からないから一方的に「これ書こう、あれ書こう」になってしまうけど。
 前にツイートしたことがあるんだけど、1冊からでも印刷製本してくれる印刷屋さんがあったりもして( ※他ブログさんです1冊から作れる同人印刷所まとめ【料金/実物写真も合わせて紹介】 | プロット以上、原稿未満。)、イベントに出すとかじゃなくて、自分用に一冊、自分とお友達用に数冊なんて人がいたら、ぜひぜひ作って欲しいと思う。
 そして、自分の小説が「本」という物体になってこの世に存在するのを見た時の興奮とバカでかい幸福感を味わってほしい。

 ちなみに、小説に転向してから私がお世話になっているのはSTARBOOKSさん。
 安い!とかじゃないんだけど、めっちゃ頑張って爆速で原稿を仕上げれば割引率が上がるみたいなシステムがある。
 そして一番好きなのは、モノクロとカラーの原稿を混在させられる。それが一番うれしい特徴。

 体調ですが、だいぶよくなってきたようで、意欲が結構太くなってきた。
 昨日の夜にまたまた修正ってなってた箱書きを仕上げたので、今日からまた本文執筆に戻れる!