氷上のデブ

思いついた、試した、いつまで続くか分からない。

『ゲット アウト』をみた。

 あらすじに、黒人男子と白人女子のカップルが、白人女子の実家へ行くと、なんやおかしな雲行きに……というような事が書いてあったので早合点して、人種差別を扱った人間ドラマかと思っていた。
 が、怖かった。なんか実家に行って、はじめは使用人がめちゃ怖くて、他にも色々怖かった。私は怖がりだから、他の人なら怖くないかもしれないけど。
 とにかく、悪いやつは出てくるし、主人公はピンチになるし、その内「マジか!」って、怖くなくなってきた。
 話の展開については毎回ふれずにおくけれど、なんというか、観た翌日便座に座りながらぼんやり考えていたのだが、この映画に軽い雰囲気があるのは悪いやつが悪い事をする動機、理由、そういうのに納得できなかったからかなと思いあたった。昔から2時間もののサスペンスなどを観た時にもよく叫んでいた事だ。
 しかし更に考えた。
 この頃現実にある事件を扱ったドキュメンタリー番組を観まくっている。その中には連続殺人もある。
 そしてそういう連続殺人には、犯人に「大した動機はない」ようにみえる。そして現実の事件に関するものをみている時にはそれがよりつらく、胸が痛み、そして「そうか、そんなものか」と納得できない納得をするのだ。
 だから、まぁエンタテインメントのために作られた映画ではあるけど、動機がなんだかなぁなどというのはナンセンスなんじゃないかと考え直した。
 いやほんと、ドキュメンタリーと比べる話でもないんだけど。
 エンタテインメントは楽しんでなんぼだから。
 と思えば、楽しみは少し少なかったかな? と思わなくもない。