氷上のデブ

思いついた、試した、いつまで続くか分からない。

『漂流』を読んだ。

 吉村昭 著、新潮文庫。

 新潮文庫の古い?フォントだったので、始めのページはそれがめちゃめちゃうれしかった。この頃はフォントサイズも大きくなって、写植じゃなくなってっていう事があるのかな、この頃のフォントとは違うのが多い。読んでいない時間にちょろっと本を開いてフォントを眺めたりしていた。
 いい。

 それはさておき、吉村昭の作品はかなり好きで、本屋へ行って、読んだことないものを見つけると買う。そんなに量を読むタイプじゃないので、吉村昭の本もまだまだ読んでないのがあるようでうれしい。
 今回の『漂流』は、実話から書かれた小説。
 高知の船が難破して、鳥島に漂着する。
 今、鳥島をネットの地図で調べてみたら、地名で出てきた島の周りはずっと海で、マウスホイールをくるくるして拡大というか縮小というかしていくと、どんどん島が小さくなって見えなくなったけどまだ海だった。
 近く(だけど近くない)島もあったはずだが(八丈島とか)……って思ったんだが、それも小さくなりすぎていた。あてずっぽうで縮尺を変えるとそれらの島も出てきた。
 つまり、めーっちゃめちゃ、めちゃめちゃめちゃめちゃ、遠い、本州から。
 それを想像するだけで「うおお……」って言ってしまう。

 とにかく、乗組員の中の長平を主人公に話は進む。
 無人島で、木もあんまり生えてなくて、動物もいない。虫もあんまりいないくらい。そういうヤバい島。
 でも、この島にはアホウドリがいた。営巣地があって。
 だから、長平はじめ仲間たちはアホウドリを食べて必死で生きていく。
 そういうアホウドリみたいなものと人間の知恵はとても大事だし、アホウドリに至っては運でもあるんだけど、この作品を読んでいて私が何度も感動したのは、長平の「生きたい、だから絶対あきらめない」って心だった。途中長平はひとりぼっちになってしまうんだけど、次の仲間(つまり遭難者)が現れるまで念仏だけを頼りに頑張ったとか、ま、いろいろと、本当に頑張るんだね。
 それがあの吉村昭の筆でもって描かれていて、めちゃめちゃ心にしみる。
 他の仲間もそんな長平にひっぱられるように頑張ったと思う。

 長平とアホウドリ。

 そんな話だった(?)。

 とにかくこの新潮文庫は紙も薄くてつるつるしていて、持つとぐにゃりとするんだ。そんであのフォントなんだ。手からもいい感じが入ってきて、素晴らしい読書体験だった。
 これを読み終えてこう、私はちょっとアホウドリのファンになった。
 そして、部屋が大変な事になりがちだから、読んだ本は殆ど古本屋へ売って、とても好きになった本だけ置いておくんだけど、この本も本箱に入れて置く事にした。

 以上、感想文である。

 昨日、書いていた短編を仕上げて当ブログとpixivに投稿した。
 そして、今日は次の話のネタ作りをしている。前回のやつの反省点もあったりして、そういうのもクリアしたいけど、毎回同じ反省点が出て困っている。何かやり方があるはずだから、見つけられるよう頑張りたい。

 どうでもいいけど、前にスパゲッティばかり食べる話をかいていたと思うが。
 まだ続いていて、一昨日晩御飯にセブンイレブンのスパゲティを食べたのだが、今日また晩御飯がコンビニ弁当になって、スパゲティを買ってしまった。しかも全く同じスパゲティ。明太子のやつ、めちゃめちゃおいしいんだよね。

 昨日は結構落ち込んでいたというか元気をなくしていたところもあったんだけど(でも、元気だった)、今日はそのなくしていたところもちょっと回復した感じはする。
 やっぱり、なんていうか……ちょっとクセあるよね……。自分の事なのにクセがあって扱いづらすぎる。
 でもいちボウフラとして頑張るわ。長平みたいにあきらめずに頑張る。