氷上のデブ

思いついた、試した、いつまで続くか分からない。

『バッド・カントリー』を読んだ

 C・B・マッケンジー著、ハヤカワ・ミステリ文庫。

 舞台がとても厳しい土地。メキシコとの境なのかな。気候も暮らしも厳しい感じ。
 そういうところで起こる事件に、私立探偵である主人公が取り組むのだけど、ずっと静かな感じで話が進んでいく。序盤からスローな感じなんだけど、真ん中あたりから物語の展開があって、そこからはだいぶんミステリーらしい読みやすさが出てくる。
 主人公も骨太な感じだけど、その中に見える弱みや優しさみたいなものがとても人間らしく、好感がもてるので、始めのスローなところから最後まで読み通せたのかな。
 ずっと舞台になっている土地の雰囲気が文章に絡みついていて、ちょっと映画を観ているような感じもあった。