シャルロッテ・リンク著、創元推理文庫。
はじめから面白かった。
どのシーンも「何か起こるな」「どこかへつながるな」という予感にあふれていて、ミステリらしさが大きかった。
しかしちょっと、進むにつれて私の主人公に対する感情移入とか共感とか、そういうのが薄れていって、それだけでなく「ちょっといけすかない」くらいの感じになってしまっていったので、そこからちょっと読みながらイライラするシーンなんかも出てきた。
ミステリなので、物語の展開が目を見開くようなものであればまた違ったかもしれないが、最初の期待に比べるとそこまで読者にとって面白い進み方もしなかったので、それもまた残念なところだった。
主人公よ、貴様の動き方いかんでは死なずに済んだ人がいたかもしれぬのに……貴様はもっとうちひしがれていいんだぞ。